企業経営をとりまくさまざまな制度改革が進められました。企業再編制度としては、会社分割制度､株式交換制度､株式移転制度など多様な制度改革が実現しました。一方、コンプライアンスの強化も課題となり、社外役員の導入、会社法の改正、内部統制監査制度などが企業経営に大きな影響を与えています。

こういった制度改革であらゆる企業がすべて順調に対応していけるかというと、必ずしもそうではありません。特に創業期の中小企業には経営資源が限られており、経営の様々な分野において問題点があります。経営者には、その会社の市場に関する知識や技術だけでなく、財務、経理、法律といった分野においてもオールラウンドに知識が要求されます。

会社が長期的に成長していくためには、どんな企業であっても営業、財務、経理、人事などあらゆる分野で会社の基礎をなるべく早い段階で構築すべきものですが、残念ながら会社の基礎の十分な理解は出来ていないように思われます。創業期から経営資源が豊富で十分な経営体制を維持できる企業は少数です。とりわけ、昨今の企業再編法制、中小企業向けの法制、コンプライアンス強化へと改正されるなか、多くの中小企業は制度を効果的に運用できないでいると思われます。

当監査法人は､新しい制度システムの利用や運用による企業実務に即したリスク評価を実施・報告し、監査を実施していくことが重要であると考えています。